施設長のブログ
2024年度
特定技能介護職員を紹介します!
■■■特別養護老人ホーム梅の香■■■
梅の香では、ミャンマーから特定技能介護職員2人が今年の6月1日付採用となりました。名前はアウン ピョー カンッ介護職員、ニーニーゾー介護職員です。
早いもので3か月が過ぎ生活や仕事にも慣れてきました二人に、日本での生活や仕事についての感想と目標を聞いてみました。
【アウン ピョー カンッ介護職員】
・一番困ったことは、小高区以外に買い物に行き、物を沢山買ってしまうと、電車で帰るので持ち運びが大変でした。
・日本に来てミャンマーの友人に会えたことが嬉しかったです。
・仕事では先輩職員が優しく教えてくれます。
・今まで知らなかった介護技術を学ぶことができました。
・今年の目標は、日本語能力試験N3の合格。最終目標は介護福祉士試験合格です。
【ニーニーゾー介護職員】
・日本語が上手く話せない。相手が何を話しているか分からない時もあるので困ります。
・仕事では先輩達が温かく迎えてくれ、優しく教えてくれるので嬉しいです。
・友達と一緒に東京ディズニーシーに行くことができ嬉しかったです。
・今年の目標は、日本語能力試験N3の合格。最終目標は介護福祉士試験合格です。
OJT担当からは、苦手な介助もありますが、食事介助、排泄介助は一人でも出来るようなってきていますと成長ぶりが窺えます。
生活や仕事で嬉しい事ばかりではなく大変な事もありますが、梅の香職員からのサポートを受けながら生活や仕事には慣れてきている様です。
これからも二人共通の目標に向けて、温かく見守りながら応援していきたいと思います。
【文:伊関】
「デイサービスセンターへようこそ!」
2023年度
「ロボットとのふれあい」
「ベビーファースト運動」
認知症を考えるシンポジウム
任意団体「認知症を考える会」とは、認知症に関心のある医療・福祉・介護職の有志者を募って平成30年7月に発足し、2ヵ月に一度、「認知症とともに生きること」をテーマに勉強会を開催しています。今回は、認知症啓発活動を積極的に行っていくことが肝要と考え、南相馬市民を対象に、認知症患者の支援体制に焦点をあてたシンポジウムを開催したとのことです。
グループホーム以外には、医師、警察署員、地域包括支援センター職員、認知症の人と家族の会長が、それぞれの立場で認知症についての治療、地域や家族との関り方、支援など、異なる視点からの報告や意見の発表がありました。
今後、在宅で生活する認知症高齢者の数は増加していく傾向にあります。認知症高齢者の人が住み慣れた地域で安心して暮らす事ができるよう、任意団体「認知症を考える会」等の関係団体、市町村、医療機関、介護事業者と連携して、普及啓発、介護する家族への支援にも力を入れ、地域全体で認知症高齢者の人を支援していくことが大切だと思います
【文:石神施設長 伊関育子】
「三丁目へようこそ!」
■■■特別養護老人ホーム梅の香■■■
窓を開けると、金木犀の良い香りが、爽やかな風とともに入ってきます。異常に暑かった夏が過ぎ、布団にくるまれて眠るのが気持ち良い季節になりました。
梅の香は、8月7日、1年7か月ぶりにショートステイの専用ユニット(三丁目)を再開することができました。休止中は、「まだやらないの?」「待ってるからね」とのお声をかけていただきながら、人材確保に奔走する日々を過ごしました。少しずつではありますが職員も増え、地元職員の頑張りと、県外から移住してきてくれた職員、そしてミャンマーからの特定技能介護職員が三位一体となって、梅の香を盛り立ててくれ、ようやくショートステイのご利用者を受け入れることができるまでになりました。以前ご利用いただいていた方からは、「また来られて嬉しい」と変わらずお元気な姿を拝見することができ、胸が熱くなりました。
間もなく再開から2か月が経とうとしています。今日も三丁目から、大きな笑い声が聞こえてきます。再開したばかりで、まだまだ不慣れではありますが、ご利用者の皆様が安心して住み慣れた家、地域で生活を続ける一助となれるよう、職員一同精一杯努めていきたいと思います。
【文:鹿山】
秋の気配
コロナ感染予防で、外出を自粛していますが、隣の保育園ではお神輿を作り、夏祭りを開催したとのことです。
8月に入りミンミン蝉、夕方にはヒグラシ、そしてコオロギなどの虫の声も聞こえるようになりました。少しずつ秋の気配を感じています。
そして、涼しくなるとともに一日も早く日常の生活に戻れるよう願うばかりです。
2022年度
応援の絆
■■■特別養護老人ホーム梅の香■■■
あけましておめでとうございます。旧年中は、感染症対策をはじめとした施設運営にご理解、ご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。本年も、ご利用者の皆様、ならびにご家族、地域の皆様に安心していただける施設づくりに努めてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年11月1日~今年の3月31日まで、栃木県真岡市にあります、社会福祉法人二宮会 特別養護老人ホーム喜望荘様より、介護職員の亀田祥吾さんが、応援職員として来てくださいました。いつになってもコロナ禍が収束する兆しを見せず、また全国的に介護人材不足の中で、来てくださった亀田さんをはじめ、快く送り出してくださった喜望荘の小島施設長様、他職員の皆様方への感謝の気持ちでいっぱいです。
しかも、亀田さんは、当初1月31日までの3か月の予定でしたが、ご本人からの申し出により、3月末まで延長して応援いただけることとなりました。梅の香のために力になりたいと、まっすぐなまなざしでご利用者の支援をしている姿を拝見し、本当に頭が下がる思いです。
梅の香では、震災以降7年の月日を経て、平成30年4月に再開し、もうすぐ満5年が経とうとしています。思うように職員が集まらず、当初の計画よりもゆっくりとした歩みではありますが、様々な取り組みを行い、時には失敗しながらも、それもまた経験として着実に前を向いて進んでいます。それは、被災地で生きることを選んだ地元職員のみんなと、県外、海外から集まってくれた職員のみんなの力を、これまで支えてくださった山形県、栃木県、神奈川県、島根県からの応援職員の皆様の絆で何倍もの力にしていただいたからだと感じています。
この人と人とのつながりを大切にして、今年もより一層地域になくてはならない施設としての務めを果たしていきたいと思います。
【文:鹿山】
初めての冬、安全に通勤するために・・・
5月に特定技能介護職員をミャンマーから迎え入れて間もなく8ヶ月になります。生活サポート責任者として日々の生活における様々なサポートを行っている中、初めて経験する「冬」に安全に通勤ができるよう、南相馬警察署の交通課と警備課署員の皆様に協力いただき、自転車乗車時の交通安全についての講話、自転車シミュレーターを使用して走行時に起こる危険や注意しなければならない点等の指導を受けました。
折しも先日の降雪翌日が早番出勤で、道路の凍結や滑ることの怖さを体験したばかりだったので、予想以上の効果が得られ、実施して良かったと思います。講話終了後に、反射リストバンドやタスキ等を頂戴し、早速自転車にリストバンドを装着して通勤しています。
サポート内容は交通だけに限らず生活全般に及びますので、周囲の皆さんにも協力いただきながら、今後もサポートしていきたいと思います。
【サンサンチャレンジ】
福寿園事業場(6事業所)には110名の職員が勤務しています。よって、安全衛生法に基づき、職場の安全衛生の水準向上のため必要とする事項を審議、検討するための衛生委員会(法人での名称は「安全衛生委員会」としています。)を月1回、産業医の意見を徴しながら開催しています。
審議内容は、労働災害の原因及び再発防止対策で安全衛生に関すること、有害性の調査・作業環境測定・健康診断などの結果及びこれらの結果に対する対策の樹立に関することなど、8項目があります。昨今の介護現場は、介護ロボットやITの導入などにより、職場環境の改善が著しいのですが、健康診断結果が思わしくありません。
ここ数年、二次検診受診指示において増加しているのが「脂質代謝」の異常です。生活習慣や食生活(カロリーの過剰摂取、揚げ物の大量摂取、アルコールの過剰摂取など)の乱れが原因の「あれ!」ですね。自覚症状が無く、放置すると心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などが発症する危険因子です。幸いにほとんどの職員が、「食事療法」「運動療法」程度の指示で済んでいますが、安全衛生委員会でも「本人任せの対策では不十分」との意見も出ているほどです。(ほとんど私が叫んでいるのですが・・・)
夜勤に従事する職員は、不規則な勤務体制、真夜中の休憩時間の食事?(お菓子かも)など身体をいじめる生活を強いられています。夜勤入り職員の手荷物の多さは、皆さん周知のとおりです。また、普段の動き続ける仕事の疲れから、身体を休めることを優先し、運動不足となってしまうことは否めません。
そんな折、南相馬市が、メタボリックシンドロームの解消のため、3カ月でマイナス3キログラムの減量を目指す「サンサンチャレンジ」の実施にあたり、職域参加として参加企業を募集していることを知りました。今年で6年目だそうです。職員個人での生活習慣改善の取り組みが進まない中、職域で仲間と共に取り組むことが、職員の意識変容の良いチャンスではないかと考え、南相馬福祉会で参加登録し、各拠点事業所から3名参加とのノルマを課したところ、ノルマを超える15名の猛者が、快く(?)申し出てくれました。「参加賞と達成賞に惹かれたわけではありません!」と職員の健康管理を心配する趣旨に賛同しての快諾でした。
サンサンチャレンジは、朝・夕の1日2回、体重を測りアプリに入力するだけのことですが、令和3年度の実績では、471人が参加し88人がマイナス3kg減量に成功、参加者平均ではマイナス1.5kgだったそうです。意識して取り組んだことは「こまめに身体を動かす」「食事内容に気を付ける」などで、参加した感想は、「記録することで意識して減量に取り組むことができた」「血液検査の結果が改善し、血圧等が下がった」「職場や家庭で話題にしながら、お互いに競い合いながら行うことで継続できた」と回答されています。【「南相馬市健康福祉部健康づくり課ホームページ」より】
日々の体重の入力は、『ふくしま健民アプリ』をインストールする必要があります。『ふくしま健民アプリ』は健康維持につながる生活習慣の定着化を図ることを目的としたアプリケーションで、日々の歩行活動がポイント化され、目標ポイントを達成すると福島県内の協力店で提示することで特典を受けることができる「ふくしま健民カード」を獲得できるそうです。【「健康ふくしまポータルサイト」より】
チャレンジ中の職員の皆さん、一人では続けられないことも仲間が居れば心強く、目標に向って行動できる見本となって頑張って下さい。
【防災士訪問】
応援職員さんが来てくれました!!
■■■特別養護老人ホーム梅の香■■■
8月1日~10月31日までの3か月間の予定で、島根県益田市にあります、社会福祉法人希望の里福祉会 養護老人ホーム清月の里様より、主任支援員の松本奈美さんが、応援職員として来てくださいました!!
応援職員さんが来てくださるのは、実に1年と4か月振りです。全国的に介護人材不足といわれており、しかも新型コロナウイルスが猛威を振るい、第7波が真っ最中で、どの事業所も運営が大変な中、来てくださった松本さんをはじめ、快く送り出してくださった清月の里 大庭施設長様、他職員の皆様方への感謝の気持ちでいっぱいです。
松本さんが、梅の香に来てくださることが分かったとき、私は本当に運命を感じました。それというのも、松本さんのお名前『奈美さん』が私と同じだったからです(笑) 初対面のご挨拶の際に名刺をお渡ししたとき、松本さんもとても驚かれていました。
松本さんとじっくりお話する機会もあり、何故、福島に来ようと思われたのか伺うと、「福島ではなく、南相馬に来たかったんです!」と力強いお返事をいただきました。東日本大震災の報道で南相馬市が取り上げられているのをご覧になり、そこからずっと、他ではない『南相馬市』に来てみたかったと。応援職員募集のチラシを見たとき、その施設の中に南相馬市の施設『梅の香』があると知り、迷わず手を挙げたとのことでした。松本さんにとって、それは何かに導かれるような運命を感じたそうです。
松本さんは、小柄でとてもかわいらしい方なのですが、そのどこにそのような大きなパワーを秘めているんだろうというくらいパワフルな方です。松本さんからパワーをいただきながら、梅の香も大きく成長したいと思います。
松本さん、3か月間、どうぞよろしくお願いいたします。
【文:鹿山】
2021年度
グループホーム外部評価
令和3年度より「運営推進会議を活用した評価」に取り組み、令和4年3月に行政へ結果報告書を提出し、外部への公表としては、事業所内の玄関先にファイリングしています。
令和4年度も「運営推進会議を活用した評価」を選択しており、自己評価で取りまとめたサービスの内容・課題等については運営推進会議にて報告し、委員の方から意見をいただき、新たな課題や改善策を明確にし、サービスの質の向上を図りたいと思っております。
【文:石神施設長 伊関育子】
公益財団法人JKA競輪補助事業完了のお知らせ
ここに事業完了のご報告を申し上げますとともに、公益財団法人JKAをはじめ、関係者の皆様に謹んで感謝の意を表します。
【事業名】 緊急的な対応を必要とする事業(新型コロナウイルス感染症の拡大防止策)
【事業内容】 自動水栓 TOTO TENA40AW 2台
パルスオキシメータ ニプロ 59-132 10台
【補助金額】 440,000円
【完了年月日】令和 4年 1月24日
1、補助事業の概要
(1)事業の目的
新型コロナウイルス感染の拡大防止対策を行っている中で、まだ一部のトイレでは手洗いの水道が手動
《 自動水栓 》
・自動水栓
トイレで手を洗った後の不要な接触を避けることができるようになったため、職員や外部の方等様々な
・パルスオキシメータ
施設内において利用者が陽性者となってしまった場合でも、隔離用としての物品の備えがあるため、通
御下賜金を拝受いたしました
この度、令和3年度の御下賜金を特別養護老人ホーム梅の香が拝受いたし、令和4年2月25日、県庁におきまして、内堀雅雄知事より伝達されました。
御下賜金は、天皇誕生日に際し、社会福祉事業御奨励のため、事業運営が優良な民間社会福祉施設・団体に金員を御下賜されるものです。
特別養護老人ホーム梅の香は、平成16年6月開所し、地域の高齢福祉の拠点となるよう努めてまいりましたが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による避難指示により休止を余儀なくされました。平成28年7月の避難指示解除を受け、「故郷に帰りたい」「地元で生活したい」という高齢者の声に応えるべく、平成30年4月に定員20名で再開しました。再開後、被災地における要援護者の福祉の向上に貢献し、震災からの復興に大きく寄与したことや他の施設の規範となっていることから、今回の御下賜に選定されました。
この栄誉にあたり、東日本大震災当時のことから今日までのことを思い起こし、多くの皆様にご支援をいただいたからこそ、今の梅の香があるのだと心より感謝申し上げます。そして、被災地であるこの地区に留まり、または他の地区や他県から「被災地のために力になりたい」と移住してくれた職員の皆様の努力のおかげであると感謝しています。
大変喜ばしい気持ちと身の引き締まる思いを胸に抱きながら、この栄誉を励みに、今後も地域で支援を待ち望んでいらっしゃる皆様お一人お一人に手が届くような、地域に根差した施設づくりにより一層努めてまいりますので、今後とも、ご指導ご鞭撻くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
【文:梅の香施設長 鹿山奈美】
【加算三兄弟】
「4事業所の丑年一年」
■■■ 福寿園デイサービスセンター ■■■
新型コロナウイルスの感染リスクが高いのは通所介護事業所と目された中、感染者を出すことなく年末を迎えられたことは、ご利用者・ご家族の協力はもとより、事業所職員が日々感染予防対策を怠らなかった成果であり、感謝の一言に尽きます。
さて、前回紹介した送迎支援システム。配車スタイルが事業所の方法と合致しない部分があり、残念ながら本格導入には至りませんでしたが、担当職員は、新たな提案があれば積極的に取り入れようとの姿勢を持っています。この職員のみならず、積極的に物事に取り組む姿勢を持つ職員が多いのは嬉しい限りです。10月から毎月の全体会議時にミニ勉強会を開催し、月替わりで職員が講師を務めることとしたところ、資料は私が作成するものの、自分なりに勉強し、掘り下げた質問や伝え方についてのアドバイスを求めてくれるようになりました。自ら考え行動する、良い兆しが感じられる一年でした。
■■■ 福寿園居宅介護支援センター ■■■
管理者を中心に職員一丸となって常に新規利用者を受け入れる、まさに大奮闘の一年間でした。このままいけば過去最高の業績で事業年度末を迎えられそうです。11月には新たな試みとして、タブレット端末を導入しました。導入までのお膳立てはできても、そこから先の活用は職員次第です。既成概念にとらわれず、創意工夫を重ねて大いに役立ててほしいと思います。
■■■ 福寿園ヘルパーステーション ■■■
感染症・自然災害発生の際、“最後の砦”といわれている訪問介護。今年もそのプレッシャーの中、全員が体調を保ち、滞りなくサービス提供できたことはとても素晴らしいと思います。ただ、今年の干支を象徴するようにゆっくりと歩み、なかなか利用者を増やせず、我慢の年でもありました。
■■■ 原町東地域包括支援センター ■■■
日々、高齢者や障がい者への対応に奔走し、今年も多忙な一年間でした。深刻化・複雑化する諸課題に、より確固たる連携が必要となる中、各々が持てる知識を最大限に発揮すべく努力する姿をいつも見せてもらいました。業務以外では、他者を思いやる姿勢にも感心させられました。人は自分が辛いと感じると、自分のことしか考えられなくなり、他者のことなど眼中になくなってしまいがちです。職員同士、お互いを案じたり労う言葉を自然に口にできるのは、何物にも代えがたいものです。
以上、ざっくりとですが、居宅系4事業所の「丑年一年」でした!
来年は寅年。寅には「動」の意味があり、植物の例えとして草木が初めて地上に生ずる状態を表していて、芽が出たものが成長していく年であり、これから物事の象徴が生まれる(始まる)年とも言われているそうです。この謂れのように、4事業所とも躍動と成長、そして、今此処にない何かを生み出せる(始める)年となることを心から願っています。
【文:施設長・所長 川久保 浩美】
2020年
【職員育成方法の変化】
『キラリふくしま介護賞』 2名の受賞が決定しました!!
■■■特別養護老人ホーム福寿園■■■
福島県では、県内の介護施設等で勤務する介護職員が仕事にやりがいを感じ、モチベーションを向上させ、より一層仕事に励み、職場に定着していただくことを目的に今年度より「キラリふくしま介護賞」を創設しました。
「キラリふくしま介護賞」は、利用者に対する対応が優れている、新人職員、後輩職員への指導・助言に積極的に携わり、チームワークの向上に貢献している等により、職場でキラリ輝いている介護職員の方を表彰するものです。
今年度は県内各事業所より推薦された介護職員の中から29名が受賞し、このうち当法人から桃井薫さん(特別養護老人ホーム福寿園)、桃井利香さん(特別養護老人ホーム梅の香)の2名が晴れて受賞の誉に輝きました。おめでとうございます!!
お二人に心よりお祝い申し上げるとともに、これからも法人職員の模範となって活躍することを期待します。
「「介護支援専門員に求められるもの」
自粛ムードたっぷりの年末年始を迎えます。今年は春から新型コロナウイルス感染症に終始し、気の休まることがありませんでしたが、幸いに当法人内に感染発症者がなかったことは、職員一人ひとりが細心の注意を払い、感染予防対策に努めてくださった賜物であり、特に訪問系の職員においては、自身が感染リスクを負う状況下にありながら、その職務を全うすることを厭わない姿に、只々感謝するばかりです。
さて、タイトルの「介護支援専門員に求められるもの」についてです。今年度は自身が介護支援専門員の更新時期に当たり、今月半ばに研修を修了しました。初回の研修も合わせると4回目になります。実務経験がないので、一部の演習においては、毎回同じ事例を扱うことになり、辟易してしまいましたが、ケアマネジメントの指向は、都度変化しています。そのような中にあっても、やはり「変わらないな」と感じたのは、“介護支援専門員に求められる能力”でした。介護支援専門員に求められる能力は多岐に亘っており、相応のスキルを持たなければ携わることができない職種であると考えられます。カウンセリング技術・アセスメント力・プランニング力・プレゼンテーション技術・コーディネート術・モニタリング力等、必要とされる能力が多く、更に、このような能力に加えて、介護支援専門員自身の感受性や柔軟性・行動力・計画力などの資質も関わってくるといえます。
ケアマネジメントという仕事は、ご利用者(家族)の人生に直接向き合う仕事であり、ご利用者(家族)ごとに個別的で、多様な解決策が考えられ、正解がありません。だからこそ、ご利用者(家族)の心を支え、思いを現実のものとするために、さまざまな工夫と知恵を出し合って、多様な資源でサポートする、とても奥の深い仕事だといえます。ゆえに、主体的に物事に向き合えて、仕事を一から組み立てることができる、指示待ち型ではなく、自己開拓型の姿勢を持つことも介護支援専門員に求められるものであるとも考えます。
当事業所の職員が、これらの能力を存分に発揮し、皆さまにとって、“皆さまらしい”在宅生活を送っていただくためのお手伝いをさせていただきますので、来る年も福寿園居宅介護支援センターをどうぞよろしくお願いいたします。
【文:所長 川久保 浩美】
「飲み込み筋の計測」
グループホームでも誤嚥性肺炎を発症した利用者様が数名おりました。発症する方の多くは食事中にむせやすく、咳払いが増えるなど「飲み込む力」が衰えてきたことが感じられた方ばかりでした。これらの症状がある方や義歯のない方で咀嚼が低下した方などは食事形態をお粥、ミキサー食、刻み食など食べやすいように提供しています。このような食事形態で摂取している方が年々増えてきております。その為に噛む回数が減少してきたことも嚥下筋の低下につながっていると考えられます。
今回は飲み込み筋の計測で利用者様の「嚥下筋」の状態が分かる機会をいただいたので、測定結果を参考にしながら「嚥下体操・口腔ケア」などを強化しながら誤嚥性肺炎などの防止に努めていきたいと思います。
【文:伊関】
10月に思う
2019年度
「桜の開花」
今年のお花見で個人的にお勧めしたいのが、福島県内の写真愛好家らでつくられた「桜を愛するアマチュアカメラマンの会」で2020年版の県内「一本桜」番付表で初入幕を果たした南相馬市小高区の「飯崎のしだれ桜」です。地元の桜が入幕する事はとても喜ばしいです。私個人的にも震災後は見に行った事がないので、今年は利用者の皆さんと一緒に行ける事を今から楽しみしています。
【文:伊関】
「内部研修」
身体拘束や虐待が起こる背景には、認知症に対する知識や援助技術不足があります。
これらが原因となり、認知症の方への対応にストレスを感じるケースが多く、虐待に繋がる事も考えらます。
今回の研修では、身体拘束や虐待が起こる背景を踏まえて、認知症の方の言動や行動に対して、職員の何気ない声かけも「言葉による虐待・拘束」になっているという事で「スピーチロック」を中心に、一人ひとりが意見を話しやすいようグループワークで学びました。
職員の感想で多く聞かれたのが「普段何気ない言葉が自分では、虐待とは思っていなかったが、グループワークで話し合う中で気づかされた」、「言葉一つで相手を笑顔にしたり、嫌な思いをさせてしまう」と、職員一人ひとりが「言葉」がいかに大切であるか気づく事ができた機会となりました。
これからも、認知症の方の様々な言動や行動を要求のサインと捉え、利用者の立場で考え、気持ちに共感・受容していきたいと思います。また、職員のストレスに対しても、一人で抱え悩むことなく職場全体で話し合う事のできる環境を作っていきたいと思います。
言葉選びのセンス
らゆるイベントが中止や延期となり、自粛ムードが高まっていることは残念ですが、一人ひとりがきちんとした知識を持ち、デマに惑わされずに対応することで更なる混乱を避け、一日も早く事態が収束するよう願っています。
プライベートであれば、自分の思いや考えを言葉にする、文章に表すなどせずに、相手と目と目で通じ合うこともできるでしょうが、“職場”という環境においては、ほとんどそういう訳にはいきません。皆さんは自分の思いや考えを、相手にどれだけ正確に会話や文章で伝えることができますか?勿論、相手との関係性やその時の状況を踏まえて―。
何故このような話題を出すのかというと(ずっと以前から感じていたことではありましたが)、日々の関わりの中で“独り善がり(ひとりよがり)”だな、と感じることが多くなってきたこと、そして、“もう少し上手く表現できないかな?”と、もどかしい思いをすることが増えたからです。会話での言葉選びの失敗は、対人関係に相応の影響を及ぼします。出してしまった言葉は消せないので、「そういうつもりではない」は、なかなか通じません。また、文章にした場合、ちょっとした言い回しや言い換えによって相手の理解が異なり、こちらが言わんとする事柄が明確に伝わらない、ということが起こります。なればこそ、“ふさわしい言葉を選んで使う”、その大切さを知っていなければと思うのです(意識すると、かなり慎重になりますよ!私のようなタイプにはお勧めかも)。
新年度に向けて人事異動の内示がなされました。新しい関係が生まれます。自分を相手にきちんと分かってもらえるよう、「言葉選びのセンス」を磨いていきたいですねっ♪
ストレスと対処法
系統
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症 状
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筋肉系
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ダメージから身を守るために筋肉が緊張します。過剰なストレスになると・・・
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・体のうずきと痛み
・緊張型頭痛
・筋肉のけいれん
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呼吸器系
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多量の酸素を取り入れるために呼吸が速まります。過剰なストレスになると・・・
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・過呼吸、息切れ、それらが引き金になって起きるパニック発作
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神経系
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神経系はアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを分泌し、心拍数の増加、血圧や血糖値の上昇を促します。それにより危険に対して瞬時に反応できます。しかし過剰なストレスになると・・・
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・イライラ
・不安
・うつ状態
・頭痛
・不眠
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循環器系
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全身に血液を送るために心臓の鼓動が速まります。筋肉などの重要な器官に血液を集中させるため、血管が収縮したり拡張したりします。しかし過剰なストレスになると・・・
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・高血圧
・心臓発作
・脳卒中
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内分泌系
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分泌腺がアドレナリンやコルチゾールなどのホルモンを出し、ストレスに対する反応を促します。肝臓は血糖値を上げてエネルギーを供給します。過剰なストレスになると・・・
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・糖尿病
・免疫力低下に伴う病気
・気分変動
・体重の増加
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消化器系
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食物を消化する機能が低下します。過剰なストレスになると・・・
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・吐き気・嘔吐
・下痢、便秘
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応援職員さんの交代2
令和2年となって1か月が経過し、今年度の振り返りと次年度の計画を具体化する時期となってきました。梅の香でも、短期入所生活介護(ショートステイ)10床の再開と長期入所受け入れ人数の増加を重点目標に掲げ、一歩一歩復興の歩みを進めていきたいと思います。
そのためには人員確保が課題となりますが、以前にも施設長のブログに記載しましたとおり、福島県被災地介護施設再開等支援事業により応援職員を派遣いただき、強い味方となっています。先月まで来てくださっていた特別養護老人ホーム愛日荘の佐藤心さんから、新たに特別養護老人ホーム山静寿の木村秀司さんにバトンタッチし、引き続き社会福祉法人恩賜財団済生会支部山形県済生会様にご協力いただいていることに感謝申し上げます。
木村さんは、前任の佐藤さん同様、すぐにご利用者・職員と馴染まれ、まるで何年も在籍しているかのような働きぶりに驚かされています。“佐藤さんの評判を耳にし、ジェラシーを感じてしまう”というユーモアたっぷりの木村さん、これから3か月間、どうぞよろしくお願いいたします!
2018年度
「令和に願う」
天皇が皇位を継続するに当たり「上皇陛下に敬意」「国民を思い、国民に寄り添いながら」というお言葉を述べられました。上皇陛下のように平成の平和な時代を令和にも引き継いでほしいという思いは、すべての国民の願いであることは言うまでもありません。
さて、私たちの老人福祉施設でも「寄り添いながら」という言葉は利用者を介護する現場では常に念頭に置いてサービス提供しなければなりません。関わり方次第で相手のご利用者の反応も違い、信頼関係を築けたり、あるいは気分を害するような態度を取らせてしまったりと思わぬ結果をもたらすこともあります。基本的な言葉使いや接遇、そしてコンプライアンスルールに則った行為は勿論ですが、心を込めて接する誠意の大切さを学ばされます。
5月は田植えが始まり、蛙の鳴き声が田舎の風情を醸し出す季節です。震災直後は聞かれなかった蛙の鳴き声が、田植えをした年にどこにこんなにたくさんの蛙がいたのでしょうかと思わせるほどの蛙の合唱に、懐かしさと安堵感を覚えたことを思い出します。震災前のように田植え靴を履いて、苗を運び、四隅や欠株を手植えして、お日様が沈むまで田んぼで過ごすことができることにありがたく思えるのは年を取ったせいかもしれません。でも、田んぼの話をご利用者にお話しすると あまり話をしなかったご利用者でも話を返してくれることが多くあります。尋常小学校の話でも同様で、懐かしそうにお話しされる姿は嬉しそうです。
時代が変わり、人生100年の時代に突入しました。人間は健康に生きれば130年の寿命があるそうです。しかし、不健康な要素があるがために全うできないとある博士がおっしゃっておりました。一番影響があるのは食生活だそうです。食べることが一番大事であることは、だれもが知っていることですが、できていない。食文化が注目され、おいしい食事から健康な食事に関心が移り、とても良いことだと思いますが、「○○が健康にいい」と聞けば飛びつき、次から次と買いあさって食す。本来はあらゆる食品を少しずつ万遍なく摂取すれば問題ないわけですが、好き嫌いなどで偏った食事、お腹10分目の満足のいく食事量、いつでもどこでも食べられる食環境など、不健康な食事の要因がたくさん考えられます。私自身も思い当たるところがたくさんありますので、半分は自分に言い聞かせているところもありますが・・・。
ところで、施設では管理栄養士がいるので、綿密に計算された食事メニューを作成し、個々に合わせたものが提供されます。水分もしっかりチェックし、食べれていない時は、代わりになり食品を考えたり、食べさせ方を工夫したりと常に変化に注視しています。
今月107歳を迎えるご利用者がいらっしゃいます。大正、昭和、平成を生き抜き、さまざまなドラマを見てきた彼女が、令和の時代を「良い時代だ」と感じていただけるそんな時代になってほしいと願います。
「グループホームでの看取りについて」
グループホーム石神の利用者の心身状況も年月を経ることに重度・重症化してきており、グループホームでの生活が困難になるケースも増えてきています。例えば、入浴では特殊浴槽、食事では塩分制限やミキサー食などの提供や医療的ケアなど。このように重度・重症化し医療的ケアが必要になってきた場合は、利用者や家族と相談した結果、医療機関への入院、特養などへの入所で対応しているのが現状で、看取りは平成25年3月に開設してから実施したケースがありません。家族の中には、本人(利用者)が元気な時に「自分に何かあった場合は、人口呼吸器などの延命はしなくても良いから」と言われており、本人の意思を尊重したいので、最後までグループホームでの生活を希望される方もおります。家族へは看取りが現状では出来ない理由(下記の課題等)を説明し理解していただいておりますが、今後、「看取り」は避けて通れない状況になってきているのは現実です。
①本人・家族の意思確認
②人員配置(夜間は1ユニット1名介護職員配置であるので負担が大きい)
③医療機関との連携
④家族との連携
⑤管理者・介護職員・看護職員との連携
⑥介護職員の精神的負担
⑦介護職員の研修(看取りの経験がない職員が多く、スキル不足など)
⑧他入所者への配慮(職員の手間が多くなり、他者へのケア不足など)
⑨医療行為の実施(介護職員の医療ケアの限界など)
⑩設備が不十分(ハード面での準備、体制も不十分など)
⑪福祉用具(看取りの際に必要な福祉用具不足)
上記以外にも課題はあると思いますが、他職種間で看取り介護の体制構築・強化を図りながら前向きに取り組んでいきたいと思います。
新しい経済政策パッケージは誰のため
サービス区分
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特定処遇改善加算
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現行の処遇改善加算
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新加算Ⅰ
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新加算Ⅱ
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加算Ⅰ
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加算Ⅱ
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加算Ⅲ
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訪問介護
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6.3%
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4.2%
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13.7%
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10.0%
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5.5%
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通所介護
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1.2%
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1.0%
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5.9%
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4.3%
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2.3%
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(介護予防)認知症対応型通所介護
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3.1%
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2.4%
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10.4%
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7.6%
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4.2%
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(介護予防)認知症対応型共同生活介護
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3.1%
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2.3%
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11.1%
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8.1%
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4.5%
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介護老人福祉施設
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2.7%
|
2.3%
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8.3%
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6.0%
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3.3%
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(介護予防)短期入所生活介護
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2.7%
|
2.3%
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8.3%
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6.0%
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3.3%
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(処遇改善加算額:1,232,260円/月)(処遇改善加算Ⅱ:6.0%)(経験10年以上の介護福祉士の人数:7名)
1,232,260円÷6.0%≒20,537,000円 (現行の処遇改善加算算定前の介護給付費)
20,537,000円×2.7%≒ 554,000円(新加算Ⅰの場合の特定処遇改善額)
20,537,000円×2.3%≒ 472,000円(新加算Ⅱの場合の特定処遇改善額)
472,000円-560,000円=▲88,000円
(処遇改善加算額:230,980円/月)(処遇改善加算Ⅱ:10.0%)(経験10年以上の介護福祉士の人数:1名)
230,980円÷10.0%≒2,309,000円(現行の処遇改善加算算定前の介護給付費)
2,309,000円× 6.3%≒ 145,000円(新加算Ⅰの場合の特定処遇改善額)
2,309,800円× 4.2%≒ 97,000円(新加算Ⅱの場合の特定処遇改善額)
97,000円-80,000円=17,000円
(通所介護処遇改善加算額:224,060円/月)(処遇改善加算Ⅱ:4.3%)
(認知症対応型通所介護処遇改善加算額:108,960円/月)(処遇改善加算Ⅱ:7.6%)
(経験10年以上の介護福祉士の人数:2事業単位計6名)
224,060円÷4.3%≒5,210,000円 (通所介護の現行の処遇改善加算算定前の介護給付費)
108,960円÷7.6%≒1,433,000円 (認知症対応型の現行の処遇改善加算算定前の介護給付費)
1,433,000円×3.1%≒44,000円(認知症対応型の新加算Ⅰの特定処遇改善額)
計 106,000円
5,210,000円×1.0%≒52,000円(通所介護の新加算Ⅱの場合の特定処遇改善額)
1,433,000円×2.4%≒34,000円(認知症対応型の新加算Ⅱの特定処遇改善額)
計 86,000円
86,000円-480,000円=▲394,000円
「介護をもっと知ってもらう」
福祉避難所を市民に公表しないという選択
私達も、2011年の東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所事故により、避難で困難な生活の影響から震災関連死の方も含め多くの尊い命を落とされた方々と関わってきた。また、私自身、今年の6月に7年3か月ぶりに借上げ住宅から震災前の自宅に帰ることができた。今年の災害や熊本地震を見ても長く、厳しい避難生活が続くことが心配される。
東日本大震災や熊本地震後に、一般の方々の避難所での生活に支障があることから、高齢者、障がいのある方を対象に福祉避難所を開設する動きが全国的にみられるようになった。
当、南相馬市でも平成26年に市内の介護保険施設、障がい者福祉施設、児童施設のうち18法人、31施設と南相馬市が「南相馬市災害発生時における福祉避難所の設置運営に関する協定」が締結され、数年前も台風の大雨で河川が決壊するということで、避難所が開設される動きがあった。
しかし、契約締結後の考え方で、福祉避難所を市民に公表すると、人が集まって混乱を生じる恐れがある。ということで、公表せず、安全な施設を確認し指定し、役所職員等が一般避難所を回り、福祉避難所への移動が必要とした方を移すという考えが示された。
先日おこった北海道地震の新聞報道で、「福祉避難所開設、公表せず」札幌市「混乱を避けるため」という見出しの記事を目にした。記事によると、地震後の翌日、翌々日に一般の避難所で生活するのが困難な2人を確認し、指定した2か所の福祉避難所に移動させた。しかし、北海道難病センターに、排泄や日常生活に配慮の必要がある難病患者が7人いたが、停電と断水で小学校を紹介されたが、外国人観光客があふれ、避難を断念したが、福祉避難所の説明はなかったという内容である。
たしかに、避難施設が安全かどうか確認しないで公表すれば、支援の必要な人以外も殺到し混乱を招くという考えのもとの判断なのだろうと思う。
しかし、認知症の高齢者にとって環境の変化や不安な思い、おむつ等の使用で排泄の課題、嚥下の問題でおかゆ等の食事形態の問題、褥瘡対策や身体麻痺への支援等、一般避難所での生活は困難である。
このようなことであれば、安全を確認し受入態勢が整った施設を確認し、受け入れ条件を明確にし、速やかにすべての人々に情報提供することが必要ではないのかと思える。「混乱が予想される。起こるかもしれない。」というリスク管理を優先することはより良い解決にはならないと考える。記事の中でも「内閣府のガイドラインには、災害時に福祉避難所を開設した際は、支援の必要な人や家族らに、場所などを速やかに周知すると記載してある。」
特別養護老人ホーム梅の香 施設長 大内敏文
2017年度
懇談会に参加して
私が参加したグループの方からの実例として、高齢世帯の男性が物忘れがひどくなり具合が悪くて病院に受診に行こうとしたら、保検証が見つからず大騒ぎをして大変だったケースが1度だけでなく相次いだため、区長さん自身が高齢者の方たちの保険証を預かり管理することで、紛失することなく安心して受診ができているということを話されました。その区長さんは地域の方との信頼関係や統率力がある方で、何よりもどうにかしなくてはという気持ちで行動に移られた訳ですから凄いと感心致しました。
そして、社協より昨年の懇談会の問題提起に対しての取り組み状況を教えていただきました。
高齢者の移動手段については
①3月1日より開始される「定額タクシー」
高齢・独居世帯見守り、安否確認では民生児童委員の更なる協力を求めたこと、送迎付き介護予防交流事業の元気塾の実施、各地区でふれあい交流会の実施があげられました。しかし現実問題として男性の参加が著しく少なく、男性を呼び込むための有用感を持たせる工夫や魅力あるものにする工夫の検討が必要になったようです。
その他助成金等の支援によりコミュニティ作りの促進や高齢になったときの準備や備えのための講座の開催などの取り組みが挙げられました。
さまざまな取り組みを企画しても実際利用される方は同じ顔ぶれという現状もあるようです。地域の近隣のお世話してくれる方の育成には力を入れ、高齢者や各世帯の状況の把握ができれば支援の必要な対象者や不足している支援を導き出すことができます。
懇談会はさまざまな意見が飛び交い、時間が足りないほどでした。お話を伺いながら施設の立場として何ができるか、具体的な取り組みをしっかり検討し、地域の問題解決に協力できるよう担っていきたいと感じました。 【文:施設長 高玉】
目標を持って
施設を取り囲む垣根には山茶花の花が色鮮やかに咲き誇り、北風吹く冬の寒さに絶え忍ぶ姿は、「頑張りましょうね」と語り掛けられているようです。夜は玄関脇にクリスマスに飾られたイルミネーションが私たちの目を楽しませてくれました。そんな年末年始も終わり、あっという間に1年が過ぎてしまいました。
さて、平成30年はどんな年になるのでしょうか。1年前のお正月、今年こそはと掲げた目標はどれだけ達成できたでしょうか。50パーセント達成は合格ラインでしょうか。大きな目標だと挫折してしまいそうなので、ちょっと頑張れば達成しそうな目標をいくつか掲げ、一つずつ達成クリアできたら喜びも自信に繋がり、やる気も元気も出てきそうです。結婚願望のある人は婚活の情報をいち早くキャッチし実現して欲しいし、マイホームを考えている人は理想のマイホームを持って欲しいです。どんな目標でも、目標があると自ずと進む道が見えてきて、今何をすべきかを考えます。整理整頓が上手な人は仕事ができる人と言われていますが、必要なものがすぐに取り出せて、効率よく進むことからその言葉は納得できますね。頭の中も整理整頓できれば、近道が見えてくるかもしれません。職場でもプライベートでも目標を掲げ、来年の今頃は「達成できました」と言えるようになっていたいですね。
介護保険事業計画のゆくえ
平成30年4月小高区、特別養護老人ホーム「梅の香」の再開が決定される!
原発から20キロ圏内で避難区域の南相馬市小高区は、平成28年7月に避難区域が解除されました。当初、梅の香の再開目標を平成29年4月として準備を進めましたが、再開にいたらず、平成29年秋以降の再開に目標を変更し準備を進めてまいりましたが、ようやく今回の決定に至りました。
再開できなかった要因は、原発事故により子供達を抱える多くの職員が、子供の安全安心な将来を必死に守ろうと、苦渋の選択から避難を選択した者を含め百名近くの職員が退職となり、これまで、様々な努力をしてまいりましたが、思うように職員が確保できなかったことです。
震災からこれまでの国県市等の様々な支援により、退職した職員が戻り、県外から福島のためにと篤い志を持った多くの方々に仲間に加わっていただきました。今回、梅の香を再開することにより浪江町から避難し、子供を持つご夫婦が浪江町に帰還することで梅の香のスタッフとして加わっていただきました。また、震災前に梅の香で働いていた職員の中から再開に合流する職員もおります。
しかし、再開前の利用者定数は60床、職員数46人でありましたが、今回の再開は、地域密着型指定の20床、職員数16人程度でのスタートを予定しています。
現在の小高町は、2,300人を越える方が帰還され、毎月80人程帰還者が増えていると聞いています。どこに住んでも安心して暮らせる町の一助となるためショートスティを含めた再開に漕ぎ着けたいと考えております。
再開後の経営も壁あり山ありになることが予想されますが、再開職員のチームワークと質の高いサービス提供の思いを大切にし、再開前の運営理念を受け継ぎ、地域から信頼される施設を構築してまいりたいと考えております。今後も地域の皆様を初め関係者各位のご支援をよろしくお願い申し上げます。
1、わたしたちは、みなさんの人生の歩みから生きる尊さを学びます。
2、わたしたちは、みなさんの想いを大切にやさしさとまごころで寄り添います。
3、わたしちたは、みなさんの喜怒哀楽をともに分かち合います。
4、わたしたちは、みなさんの心やすらぐ明るい我が家を築きます。
5、わたしたちは、みなさんと地域にとけこみ共有の潤いを創ります。
ケアマネ更新研修を受けて
2016年
講習会に参加して
■■■ グループホーム石神 石神デイサービスセンター ■■■
大雪が過ぎ、本格的な冬到来となりました。その大雪の12月7日に、毎年事業所で実施しています救急救命講習会に参加してきました。新しくなった相馬地方広域消防南相馬消防署庁舎で講習会を実施し、講習会終了後には庁舎の中を見学させていただきました。
通信指令室では119番の通報があると着信と同時に発信地の地図情報や電話番号が自動表示され、出動場所も特定されるため所要時間の短縮になっているそうです。ただ、固定電話は確実に場所の特定ができるそうですが、携帯電話については範囲が広くなってしまうので、家庭からの通報の時は固定電話からの通報にしてほしいとのことでした。平成27年の出動件数は2050件で、今年は12月3日現在で1900件なので昨年を上回りそうだということです。この講習会中にも何度も出動の放送が流れていました。
1階の玄関を入ったエントランスホールの中央には東日本大震災の津波の高さ9.3mを示した鉄柱がそびえ立っています。そしてその周りの壁には東日本大震災から15日間の記録と題して、震災後から市の集団避難完了までの15日間に起きた出来事や対応等について、時系列にパネルに記録したものが張られてあります。被害状況がわかる写真集も閲覧できるように置かれており、今後の教訓として後世に残すためものでした。
今回の講習会では、指令室のハイテクな技術により救急車が到着するまでの時間が短縮されているので、到着するまでの一次救命処置(心肺蘇生とAED)の対応の有無で人一人の人生を大きく変えてしまう重大さを思うと、講習会を継続することは欠かせないと感じてきました。
【文:施設長 高玉】
【地域における専門職の関わり】
表舞台に出ないプロフェッショナルな仕事
■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■
自民党の単独過半数の議席確保という結果となった今回の参議院選挙でしたが、この3年間不在であった介護保険団体からの国会議員を国政の場に送り込むことが出来ました。消費税増税見送りによる社会保障費財源確保の不透明さから想定される次期介護報酬減額改定、介護給付から軽度者を切り離す介護保険制度改正、介護人材確保策の手詰まりなど、平成30年の診療報酬・介護報酬同時改定に向けて課題が山積する中で、国政の場で矢面に立つ国会議員がいることの意義は大きく、大いに活躍していただきたい。
昨年増床したユニット型施設では、長期入所利用者の受け入れを5月から開始し、20名の方が新たな環境の中で生活を始めています。利用者の中には、遠方の施設へ避難し、家族と遠く離れての生活を乗り越え、地元に戻られた方も数名おられ、馴染みの方言を耳にして故郷に戻ってこられた事をしみじみと実感し、喜ばれています。過去を取り戻す事はできませんが、新たな出会いを大切に共に良い関係性を築き上げ、穏やかに生活できる支援を提供していきたいと思っています。
話は変わって、連日、日本選手の活躍で沸くリオオリンピックですが、選手が自己の能力を最大限に発揮できている陰には、コーチをはじめとして多くのスタッフの支えがあってこそと思いますよね。競泳男子800mリレーで銅メダルを獲得した日本男子チームには感動しましたが、表彰式後に、北島康介選手のコーチだった事でも有名な平井伯昌コーチと握手を交わした後、側にいた女性コーチらしき方の首に全員が銅メダルをかけ、5人の集合写真を平井コーチが撮っているシーンがテレビに映し出されました。パフォーマンスを発揮し注目を浴びるのは選手自身ですが、あの女性コーチが選手たちに対しどれだけの情熱を注ぎ下支えしてきたのか、選手たちはそのことをどれほど意識してオリンピックの舞台で戦ったのか、互いの意識が強く共有出来ていた事が伺えるワンシーンでした。
職員に「どうして介護の仕事に就こうと思ったの?」と尋ねると、「ありがとう!と言われたのが嬉しくて人の役に立ちたいと思って」と答える者が多いのですが、まさに最大の理由でありその感情を忘れず持ち続けることは大事なことです。しかし、人は助けてもらえると最初は無条件に「ありがとう」と言うのですが、少し慣れてくると同じ事をしてもらっても「やってもらって当たり前」、さらに進むと「なぜもっとやってくれないの?」という感情になるそうです。確かに心当たりはあります。そんな人間の感情に対し、常に相手の想像の上を行く支援を提供することで、相手に「ありがとう」と言ってもらい続けることが、人に関わる職業の者にとっては仕事を続けて行くモチベーションを持続する方策なのでしょうね。日本競泳コーチ陣のプロフェッショナルな仕事ぶりが見てとれるワンシーンでした。
【文:施設長 菅原】
水無月(みなづき)
■■■ グループホーム石神 石神デイサービスセンター■■■
紫陽花の花がうっすらと色づき始めたと思ったらもう6月(水無月)になってしまいました。水無月の由来は水無月の「無」は「の」という意味の連体助詞「な」であり「水の月」であるとする説が有力だそうです。また、田植えが終わって田んぼに水を張る必要のある月「水月(みなづき)」であるという説もあるそうです。そういえば、今年は、田植をされる農家の方が多くあり、カエルの鳴き声が聞けました。
震災後から昨年までは6月になると大木戸の5ヘクタールの田んぼにひまわりの種を播き、お盆の頃に田んぼいっぱいにひまわりが咲きました。しかし今年からは青々とした苗が田んぼ一面に揺れています。5年ぶりの田植えとあって、稲が丈夫な「天の粒」を植えたところが多かったようです。
当事業所でも余った苗を頂き水が抜けない様にビニールを貼ったブランタンに田植えをしました。利用者様の手つきは慣れたもので、指先と苗が垂直にスッと土の中に入り、指を抜くと苗がまっすぐに植えられます。デイサービス利用者様、グループホームの利用者様たちが、懐かしがって笑顔が見られたり、「元気が出るね」と喜ばれたり、「おにぎりにして食べようか」と秋の収穫を心待ちにされたりと、話題も膨れ上がり話が止まりませんでした。
ところで、最近デイサービスセンターの利用者様の体調不良、入院等で休まれる方が増えています。先日行われた介護保険事業者の集団指導の中でも感染症発生予防の中で、湿温度の管理の徹底の指摘がありました。涼しい朝を迎えても日中は真夏日のように汗だくになる暑さ。日格差もあるうえ、日々の気温にも温度差があると衣類調整は難しいです。それぞれの利用者様の健康管理に努めながら、心も身体も元気になっていただけるよう勧めていきたいと思っております。
一年の中で6月だけ祝日がない月ではありますが、上手に調子を整えながら水無月を乗り切り、夏に向けて準備をしていきたいものです。
【施設長:高玉】
被災地・熊本を訪問して
2015年
心温まる仕事
■■■グループホーム石神・石神デイサービスセンター■■■
14時のチャイムが鳴ると体操の音楽に合わせたり、号令を掛けたり、歌をうたいながらみんなが手や足、体を動かしている。
一人では絶対やらないのに輪になってみんなの顔を見ると、なぜか体も嫌がらず「やってみっか」と自然に動きだしている。
「しゃべるのは苦手だよ」と思っていたのにマイクを向けられると昔歌った唱歌や童謡を口ずさんでいる。
「今日は気分が悪いからベッドで休んでいたいのに」と思っていたのにゲームに参加して大声を出している。
「早く家に帰りたいな」と思っていたのに帰る時間になると「もう帰るのか」と思っている自分がいた。
なかなか馴染めなかった方の少しずつ心が動き出している姿を詩にしたものです。
師走の寒さに負けず、「あったかぁいんだから」と言って頂けるような「心温まる仕事」を常に目指していきたいです。
【文:施設長 高玉】
【ユニット型小規模介護福祉施設開設】
伊予松山を訪ねて
【介護報酬改定の影響】
■■■特別養護老人ホーム万葉園■■■
新たな介護保険制度・報酬改定からひと月が経過し、平成27年4月提供分の国保連・個人請求事務を終えました。
万葉園では、前年同月比-5%というデータとなりました。万葉園の平成26年度介護保険事業収入総額は183,959千円でしたので、ここから平成27年度介護保険事業収入総額は174,761千円、-9,198千円の減収と試算されます。中堅職員2名分の年収に相当し、大変厳しい数字となります。
一方で、介護職員の処遇を改善するための介護職員処遇改善加算の給付割合が2.5%から3.9%となりました。これは介護職員一人当たり12,000円/月の賃金改善額に該当する水準と厚労省は説明しています。万葉園の介護職員は20名(育児休暇、療養休暇を除く:H27.5.1現在)が勤務していますので、20名×12,000円×12月=2,880千円の賃金改善を実施しなければならないのです。介護職員処遇改善加算は、介護職員処遇改善加算額を上回る介護職員の賃金改善(給料、手当等のUP)を行っている場合に給付されるものであり、厚労省の指摘するペースで賃金を改善していけば事業運営を圧迫することは間違いありません。どこの業界に赤字決算であるにも関わらず人件費を上昇させる会社があるのでしょうか。
運営基準では、利用者3人に対し介護職員1名の配置を義務付けており、万葉園の場合は、利用者が50名ですので、16.6名の介護職員配置が基準となります。介護報酬の仕組みはこの16.6名が生活していけることを想定した給与が払えるような基準で報酬額が設定されています。先に述べたように万葉園には常勤換算で21.5名の介護・介助職員がおり、4.9名多く配置しているのです。運営基準どおりの配置職員で介護を続けたら、すぐに職員は疲弊し離職者は増え続けます。どこの事業所でも同じように運営基準以上の職員配置をしています。それでも疲弊しています。そのため、介護職員の配置人数を増やしたいのですが、この多く配置した職員の給与は介護報酬の中では考慮されていません。基準どおりの職員配置をしている事業所でも基準以上の職員配置をしている事業所でも報酬単価は一緒なのです。国は「介護はマンパワーだ! 質の高いサービスを!」と指導し続けながら、多くの介護職員を雇い続けられない施策を打ち出す態度は、欺瞞としか言いようがありません。
介護報酬単価は1単位が10円に換算されます。万葉園のような特養(多床室)に入所されている要介護5の方の1ヶ月の施設サービス費は、861単位/日です。861単位/日×30日×10円=258,300円が施設の収入となります。しかし、東京都(特別区)は、この報酬単価1単位が12円と設定されており、861単位/日×30日×12円=30,9,960円となります。つまり、同じ条件の方に同じようなサービスを提供していても万葉園と東京の施設では、月に一人当たり実に51,660円もの収入の差が出るのです。東京の施設で行われているサービスの質は、この差額分に相当する程高いレベルのものなのでしょうか。国は、「大都市圏は物価等の負担が大きい」ことのみを理由に報酬単価に差をつけています。様々な障害を乗り越えて震災からの復興に懸命になっている被災地をある一定期間「復興特区」指定し、報酬単価の上乗せを設定することなど何が難しいのでしょうか。
【文:施設長 菅原 武】
笑って元気に
■■■グループホーム石神・石神デイサービスセンター■■■
朝の陽射しと小鳥たちの鳴き声で目覚める穏やかな初夏、早いもので、平成27年度がスタートし2カ月が過ぎようとしています。平穏な日々を送れるのもご利用者、ご家族様、地域の皆様方のあたたかいご理解・ご支援をいただいてのことと心から御礼申し上げる次第です。
さて、当事業所のグループホームでは寒い間閉じこもり気味だった利用者様を少しでも戸外に連れ出し、心も身体も開放していただこうと散歩、イベントへの参加、買い物、外食等で笑顔引き出し作戦を実施しています。同様にデイサービスセンターでも朝の迎え時から帰りの送り時まで如何に笑って頂こうかと思考錯誤しながら対応させていただいております。利用者様より職員の笑い声の方が大きく圧倒されることもありそうですが、作り笑いでも健康に良いと言われていますので笑って頂こうと一生懸命です。
では、本当に笑うことは体に良いのでしょうか、「笑いの治療効果」などの書物を見てみると
・落語でリュウマチが改善(鎮痛剤を使わなくとも血液の中の炎症程度を示す値(インターロイキン6)が減少し、大笑いで全身麻酔と同じ効果があった)
・漫才で血糖値が改善(糖尿病はネガティブなストレス、つまり不安や悲しみ、恐怖、怒りによって血糖値が増加するが、漫才を観て笑うと遺伝子が活性化し血糖値が下がった)
・笑ってストレスが低下(唾液の中のストレスホルモン(コルチゾールとクロモグラニンA)が落語で大笑いすると聞く前より5割と7割減少した)
・笑ってアトピーが改善(患者にプリックテスト(皮膚にアレルギー原因となる物質のハウスダスト、卵、牛乳などを塗る)しコメディ映画を見せたチームと天気予報を見せたチームでは前者ではアレルギー反応が弱くなり、かゆみも減少した)
・笑って脳が活性化(病院の患者の方に落語鑑賞をしてもらい鑑賞前より脳血流が64%の方が増加し、23%が減少した。落語が面白かったと思った人の血流が増え、面白くなかったからそれほど笑わなかった人が減少していた。笑った患者の方たちはアルファ派とベータ派が増え、デルタ派とシータ派が激減することがわかった)
・笑って胎児が元気に(胎児心拍陣痛計をつけた20代の妊婦さんの前で落語を演じてもらうと駆け出しの若手の新作落語で笑いが少なかった落語では胎動が減り、ベテランの落語では大笑いし胎動が活発になった。)
・がん細胞を増殖させない免疫力「NK(ナチュラル・キラー)細胞」アップ
など、まだまだたくさん効果があり、笑いが何かかしら体に良いことがわかりました。
また、心の力や精神力の効果を描いた、アメリカの有名な作家、O・ヘンリ-の作品「最後の一葉」では、ある病人が、窓の外に見える木立ちに一枚だけ残っている木の葉を見て、自分の命もそう長くない、あの木の葉と同じで、あの葉が落ちる時が自分の命も終わるときだと思い込んでしまいますが、ところが木の葉はいっこうに落ちず、風が吹いても雨が降っても10日、2週間と頑張っている。それを毎日見ているうちに、自分だって病気と闘いたえている、あの木と同じだと思うようになり、やがて体力を回復し、病人は元気になります。病人を勇気づけた木の葉は、実は病人の思いを知ったある画家が、窓から見える向こうの壁に描いた1枚だったという話で、心の治癒力を描き、心の力が薬にも劣らない効力をもたらすことを示された作品でした。
ご利用者の皆様が短い時間でも痛みや不安や苦しみなどを忘れて居心地の良い時間が持てるよう、これからも、皆様の笑顔を引き出せる事業所を目指して努力していきたいと思っております。
【文:グループホーム石神・石神デイサービスセンター施設長 高玉】
2014年
1千キロ先からのご来園
「敬老の日」に思うこと
大きさと味にびっくり!!
大きな大きなたい焼きは、万葉園、たんぽぽ、なごみの家のご利用者で分けてありがたくいただきました。薄皮で頭から尻尾の先までびっしり甘さ控えめの餡が入っており、とても美味しくいただきました。注文(箱入り3,300円)で全国配送するそうなので皆さんも試されてはいかがですか。お祝い事などにも喜ばれるのではないでしょうか。【文:施設長 菅原】
増税にマヒしてしまった?
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認定者数
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内、1号被保険者数
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1号認定率
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H22年度末
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2,613
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2,531
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13.72%
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H23年度末
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3,373
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3,260
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17.99%
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H24年度末
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3,380
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3,271
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17.43%
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H25年度末
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3,640
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3,527
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18.23%
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全国平均
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17.80%
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向日葵の種まきに参加
■■■グループホーム石神・石神デイサービスセンター■■■
6月15日の日曜日は石神地区絆復興事業として八方内仮設住宅西側約5丁1反の田んぼに20㎏の向日葵の種まきにグループホーム石神の利用者が参加しました。いつもより梅雨入りが早かった為に予定日の6月8日から1週間延期になりました。当日参加された方は石神第二小学校生、石神中学校生、相馬農業高等学校生、仮設の方、地域の方の200名とたくさんの方の参加で行われました。そんなたくさんの方と利用者がふれ合うことができたことは大変有意義でした。種まきした向日葵の花文字は10月の石神地区文化祭で写真展示会を予定しているそうです。今年はたくさんの花文字が見られそうなのでとても楽しみです。
絆の復興事業としてそのほかには8月15日の「夏まつり・火祭り・盆踊り」があります。こちらは県外からもたくさんのボランテイアの方たちが参加して下さって大規模な夏祭りになっています。小高の火祭り花火を再現したり、地域の伝統ある踊りの披露など1日も早い復興の願いが込められています。また、冬には「光を楽しむイルミネーション」として12月1日の点灯式後1月上旬まで牛越仮設住宅地内東側に鮮やかなファンタチックなイルミネーションが飾られます。いずれも地域の方、仮設住宅の方たちが一丸となって沢山の手を繋ぎながら実行されています。
【施設長 高玉】
2013年
10ヶ月を振り返って
■■■グループホーム石神・石神デイサービスセンター■■■
今年3月にオープンしましたグループホーム石神と石神デイサービスセンターも早いもので10ヶ月を過ぎようとしています。グループホーム石神は職員不足で未だに1ユニットしか開けず職員募集を広報誌と一緒に配布したところでした。是非とも25年度中にオープンさせたいところです。
グループホーム石神の大木戸地区近隣には4自治会の仮設住宅が立ち並び「南相馬絆で結ぶ地域つくり」の実行委員として地域の方たちと交流を図っております。今年は「ひまわり播種と観賞」、「盆踊り・花火・火祭り」、「光を楽しむイルミネーション」の各事業に参加し、貴重な体験をさせていただきました。
石神デイサービスセンターでは「うんどう楽園」という道具を使った「つまずかない」うんどう、「かいだん」うんどう、「ふらつかない」うんどう、「全身のびのび」うんどう、
「立ち上がり」うんどうに自発的に参加していただくことで、効果を引き出す機能訓練に力を入れてきました。高齢者は「脳と筋肉の協調性」を錆びさせないことが大切であると「うんどう楽園」指導者より指導を受けていましたので、職員も利用者も真剣に取り組んでいるところです。
12月までに応援をいただいたボランティアの方たちも多く、その応援も頂きながら、利用者の方たちの笑顔が見られるとき、この笑顔を引き出すためにわたくしたちは日々頑張っているのだと感じています。一人でも多くの方が満足していただける施設作りを目指して邁進していきたいです。
【文:石神事業所 高玉】
「もう一つの甲子園」胸が熱くなった小高商業高校吹奏楽部のミニコンサート
夏の風物詩、夏の高校野球福島県大会が7月11日に開幕した。
話題の一つとして、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故のため部員が集まらず一つの高校だけでは出場できない双葉高校(双葉町・いわき市移転中)と相馬農業高校(南相馬市原町区)の2校で編成する連合チーム「相双福島」が出場している。連合チームはこれまでも出場しているが残念ながら1勝の壁は高く悔しい戦いを見せてきた。
しかし、今年は3回戦まで進み、第5シード校の小高工業高校(南相馬市小高区)との延長13回まで激戦を繰り広げ惜敗し25年の夏が終わった。
私たちが住む福島県の浜通り、相双地区は強制的な避難を強いられ今も他市町村の仮設住宅や借上げ住宅で避難を続けている者が多数いる。南相馬市小高区、飯舘村と双葉地方にあった高校や生徒は地区外の仮設校舎やサテライト校で高校生活を送っている。これまで、部員が集まらず大会や試合に出場できないクラブや部があることは承知していたが、今回、福寿園を訪れてくれた吹奏楽部のことは恥ずかしながら頭の片隅にもなかった。
今回、来園してくれた理由に8人しかいない部員で一生懸命活動をしてきたが、部員不足で大会に参加できず発表の機会がないということで、ミニコンサートが実現した。特養福寿園、ケアハウスさくら荘の利用者が童謡、唱歌などの懐かしいメロディーにうなずきながら美しい旋律に聞き入った。
3年間の高校生活で「みんなの前では泣けないけれど、人の影で泣く経験は、人を大きく成功させる」と信じている。この部員8人の精力的な活動に対して将来の人生に輝かしい栄光につながることを祈ってミニコンサート開催の御礼としたい。
【福寿園施設長 大内】
小高区の特別養護老人ホーム梅の香災害復旧工事、第1回工程会議が開催される
3.11の大震災と福島第一原子力発電所の事故により警戒区域となった小高区、梅の香の災害復旧工事が着工され第1回の工程会議が開かれました。
設計管理の邑建築事務所、施行業者の中里工務店、施主の南相馬福祉会の関係者で来年2月末日までの工事の基本工程、工事に対する要望・注意点の確認、業者からの質疑等を確認し、今後月2回の工程会議で進捗を確認しながら工事を進めることになりました。
梅の香の被害状況は下記の写真のとおりですが、現在も水道は使えず、トイレも使えない状況です。また、長期の放置や雨漏りによる建物の損傷で2日間の清掃で施設から出たゴミが1トンパック(袋)、70個、これから工事で出ると予想される量が、700~800袋、この廃棄物を運び込む借り置き場がなく、工事敷地内に一時保管しながら工事を進めるという問題が出てきました。工事に関しても様々な問題がありますが、再開に向けた問題があまりにも大きく「だいじょうぶだ~」の口癖の私も弱気になることがあります。
今一番求めたいのが、職員が安心して働ける原発の安定と早期廃炉であります。他にもさまざまな課題があります。早期の除染、再開に必要な70人の職員の確保、開業医がいない町で協力病院、嘱託医の体制の確保、見通しが示されない避難区域の解除の時期、不透明な小高区民の帰還状況等、問題が山積みしていますが、鹿島区、原町区で経験した復興の中で介護事業所の再開は市民が生活する上での絶対条件であることを学びました。
どんなにつらいことがあっても成し遂げなければならない宿命と思って一歩一歩進んでまいりたいと思っています。
【福寿園施設長 大内】
石神事業所開設
石神事業所開設
この度、平成25年3月に石神大木戸地区にグループホーム石神、石神デイサ-ビスセンターを開設し、早いもので4ケ月が過ぎました。グループホームは職員不足により2ユニットの内1ユニット9名の開設のみ、デイサービスセンターも利用定員の25名は満たせない状況ではありますが、地域に根差した事業所を目指してスタートしております。
地域の方との協力体制におきましては、グループホームの実施するサービス提供の活動状況の報告に対しての評価並びに意見、要望、助言等サービスの質の確保に資する役割を担っていただく運営推進委員、施設近隣にお住まいで火災等の非常時に利用者の迅速な避難誘導協力の為に駆けつけていただける非常災害協力員など、快く引き受けてい頂いております。また、民謡、踊り、マジック等たくさんのボランティアの方の協力もあり、利用者様の笑顔を引き出していただいております。
大木戸近隣には仮設住宅が建設されているため、地域ぐるみの事業として、地域づくり総合支援事業「南相馬避難住民・地域住民の絆で結ぶ地域づくり事業」が計画され、さまざまな事業が予定されています。当事業所も実行委員に加えていただき、少しでも地域に根差した施設として貢献出来るよう努めたいと考えております。8月15日(木)に予定されています牛越仮設住宅駐車場及び大鹿の田んぼで実施される「復興絆盆踊り・花火・火祭り」では模擬店「クリームあんみつ」を予定しています。
二つの事業所の利用者様が安心して心地よく過ごしていただける施設、そして地域の皆様と上記の支援事業のような絆が結ばれる施設にしていきたいと願っておりますのでよろしくお願いいたします。
【グループホーム石神・石神デイサービスセンター施設長 高玉】
それぞれの苦悩
2012年
小規模多機能型居宅介護とは
【防災計画策定の難しさ】
【被災者支援の国の想い】
石神地区複合型介護福祉施設の名称が決定される(2)
7月より本格工事に入った石神地区複合型介護福祉施設の名称が決定されました。
6月31日に開催した理事会において、施設の総称を「石神地区複合型介護福祉施設」とし、グループホーム名称を「グループホーム石神」、デイサービスセンター名称を「石神デイサービスセンター」に決定されました。
地域の一員として地域の皆様から信頼され、地域に根ざした施設として原町区西部の地域名称である石神地区の地域名を踏まえ「石神」を付けさせていただきました。
工事は、建築主体のA工区工事(デイサービスセンター)、B工区工事(グループホーム)、外部倉庫工事、24条申請工事、外構工事の主要工事に分け、それぞれの工事に電気設備工事、機械設備工事に分離して作業を進めています。
A工区工事は、スラブ配筋、土間・立上壁差筋に入り、夏季休暇後、墨出・土間シート、土間配筋に入ります。
B工区は、土間配筋、立上壁差筋が終わり型枠建込、土間コンクリートに入り、夏季休暇後は、壁配筋・型枠立込、土台・HDアンカー取り付けに入ります。
9月上旬には足場組み立てが始まり、建物の形が少しずつ見えて来ると思います。
建物完成模型(左→グループホーム、 工事現場AB工区全景
右→デイサービス)
B工区のグループホーム A工区のデイサービスセンター
【福寿園施設長:大内】
石神地区複合型介護福祉施設整備工事安全祈願祭が執り行われる
この計画は、本来であれば23年度の完成を目指して計画しておりましたが、東日本大震災並びに東京電力原子力発電所の事故により計画が休止していたものです。
完成は、平成25年1月15日を目指し、通所介護施設(デイサービスセンター)定数25人と認知症対応型共同生活介護(グループホーム)定数18人に訪問介護(ホームヘルパーステーション)と居宅介護支援センター(ケアマネ事業所)を併設し、地域の方々が少しでも在宅生活を継続できる福祉施設であることを願い計画したものです。
構造は、木造平屋建て、述べ床面積1,015㎡(約308坪)の建物で、設計者は、福島県建築文化賞準賞を受賞した小高区の特別養護老人ホーム梅の香、グループホーム小高の設計に当たっていただいた株式会社邑建築事務所、施工者は東北建設株式会社が当たる事になりました。
今回の震災等で多くの市民の皆さんが避難を余儀なくされ、市外や他県で帰ることを待っている方のためにも来年3月の開設をめざしてまいりたいと思っております。
陽田代表取締役
2010年
視察を終えて
■■■特別養護老人ホーム 梅の香■■■
いよいよ12月に入り、平成22年も残りひと月となりました。施設では、クリスマス会、餅つき、初詣等の行事が控えており職員も慌しく準備に取り組んでいます。
昨年度の今頃は、新型インフルエンザの流行に、各種行事の中止や面会制限など初めての対応に振り回されておりましたが、今年度も少し気になるデータが出ております。福島県感染症情報センターが発表する「福島県感染症発生動向調査週報」によると第46週(11月15日~11月21日)の県内のインフルエンザ発生患者は56名で県中地区に流行が見られ、また、感染性胃腸炎も郡山市、会津で流行が続いているとの発表でした。相双地区内では、インフルエンザは第45週に1名発生し第46週には0名となりましたが、感染性胃腸炎は第45週に20名、第46週には26名と増加傾向にあります。いずれも例年より流行時期が早まっているようです。施設内においては、感染症のまん延防止策を通年を通して実施しておりますが、社会的に流行する時期には特に面会者を中心に対応策を強化します。今年度は早めの感染症予防強化策を実施しなければならないと考えております。
さて、話題はかわりますが、11月28日(日)に法人内特養三施設家族会合同の施設視察研修を開催しました。昨年度は、新型インフルエンザ禍により中止した事業でしたが今年は、いわき市にある高齢者向け優良賃貸住宅「さくら壱番館」様を視察させていただきました。この高齢者向け優良賃貸住宅とは、「高齢者の住居の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者が低廉な家賃で居住できる良好な住環境を備えた優良な賃貸住宅を各市町村が認定するものです。認定を受けると各市町村が家賃を一部補助する仕組みとなっており、高齢者にとっては低家賃で利用、充実した設備で安全性・安心感を確保、行政としては、税による新たな公営住宅建設の抑止と相互にとってメリットの大きいものとなっています。現在福島県内にてこの制度を制定しているのはいわき市だけとなっていますが、今後郡山市や会津若松市等でも整備される計画があるとの話でした。
この賃貸住宅の特徴は、賃貸住宅でありながら、入居者が交流できる「交流スペース」を備えていることにあります。日中は管理人しかおりませんが、管理スタッフ及び委託契約しているNPO法人スタッフによる生活相談サービスやアクティビティサービスを受けることができます。また、介護が必要な状況となっても外部サービスを利用してこの賃貸住宅の生活が維持できることから、特養待機者が増加する中で、将来的な生活環境の安定性の観点からは、自宅での独居生活より安心感が増すものではないかと考えられています。賃貸住宅に住むことで、住み慣れた自宅の隣近所との関係性は崩れることもありますが、加齢に伴い外出の機会が減り、交流も少なくなっている現状からは、より安易に交流の場を求めることができ、防犯・防災設備の整った生活環境に移り住むことも選択肢の一つとして拡がっていくのではないかと思われます。これらの事業は民間企業が進出する事が容易であり、高額な入居金を支払う有料老人ホームより高齢者にとって有益なサービスではないかと考えます。
しかし、問題点がないわけではありません。外部サービスを利用したとしても賃貸住宅において生活できる状況には限界があります。介護を受けることを目的に設備が整っていないからです。入居後数年で重度の介護を必要とするケースもあります。これらの事態に備え、賃貸住宅事業者は自前の介護保険事業所を持つか、周辺介護保険事業所との連携を持ち、入居者の状況に応じた生活環境を提供できるシステムを将来に備えて構築しておかなければ入居者が安心するサービスの提供とはならないのです。とはいえ、現状の介護保険事業所では対応できていない、将来にわたり介護を必要としない生活の維持に必要な対策としては、非常に費用対効果のあるものではないかと思われます。
先の日記でも話ましたが、この南相馬市においてもそう遠くない将来に高齢者の住居及び介護予防問題は大きなものとなるはずです。状況が悪化してからの対策費用は膨大なものとなってしまうことから、ここは、行政・介護保険事業者・医療事業者・民間事業者が高齢者の健康期~終末期の生活環境のあり方について知恵を出し合い、連携することで、市民が老後を安心して生活する事が出来る南相馬市でありたいと視察を終えたバスの中で想いをめぐらせました。
【文:梅の香施設長 菅原】
高齢夫婦世帯からの施設入所に想う
異常すぎた暑さもひと段落し、朝夕には涼しさが感じられるようになりました。この夏は、多くの方が熱中症に罹ったニュースが毎日のように報道されましたが、当施設においては、こまめな水分補給に力を注いだ結果、幸いに熱中症状を呈する方もなく過す事が出来ました。当面日中の暑さは継続しそうですので、引き続き健康管理面に留意して参ります。
さて、もう一つ新聞等を賑わせている報道に、所在不明高齢者問題があります。9月10日の報道では、戸籍が所在しているのに現住所が確認できない100歳以上の高齢者が全国で23万4000人に上ると法務省が発表しました。戸籍は住民登録を抹消しても、死亡届が提出されるまで存続するそうです。太平洋戦争時の空襲による犠牲者や移住して海外で死亡した人の場合、住民登録のみが抹消され死亡届が提出されなかったためではないかとの分析もあります。もし、この所在不明者が全員亡くなっていたとしたら、日本の平均寿命はどのようになるでしょうか。ある方の試算では、ほぼ影響を与えない程度のものだそうでちょっと安心しました。
平均寿命とは、0歳の人があと何年生きるかの平均余命を差すそうです。その計算式は文系の私には恐ろしく難しい(積分を使用するそうです。興味のある方は調べてみて下さい。)式で求められます。それぞれの年代で平均余命には違いが出るそうですが、その数字を聞くと何となく「まだ、まだ不摂生しても大丈夫かな!」などという根拠のない自信が生まれてきます。
前回の寄稿にて高齢夫婦世帯の話を少ししましたが、この高齢夫婦世帯のことで少し気になる事があります。高齢夫婦世帯にて仮に夫が介護を必要とした場合で、妻の介護疲れなどの理由から夫に施設に入所してもらうというケースがあったとします。結果として、入所された夫は健康管理や日常生活支援等のサービスを受け、残された妻は介護という重労働から解放され双方にとって良い事であるかのように思われます。しかし、このことは、新たな高齢単身世帯を生み出していることになるのです。人は人との関わりの中で生活しているからこそ人としての存在があるのに、まして数十年ともに苦楽をともにしてきた関係性を介護が必要だからという理由で施設サービスにより分かつことに大儀があるのでしょうか。入所なさってからのご利用者の元気な笑顔、面会のたびに喜ばれていかれる家族の表情を見ると施設サービスの必要性は十分認識しますが、離れて暮らしたくないと節に願っている方々に過度の介護負担もなく生活していけるサービスを提供する事は出来ないものでしょうか。とんでもなく高額な入居料が必要な介護付有料老人ホームや高齢者専門賃貸住宅と在宅サービス(デイサービス、訪問介護、訪問看護等)、クリニック等の組合せが一体化したサービスは既に存在しておりますが、低額で利用できる施設機能と高齢者専門賃貸住宅との一体化、つまり施設でありながらそこには健常な伴侶も共に生活できる機能を持つサービスはどうでしょうか。夫婦が共に生活できることで精神的な安定を得ることも容易であり、どのような介護を受けているのかを目の当たりにでき、介護の手助けも可能で、時には自分の好きなことに出かけることも出来る自由さを持つサービスなど作ることはできないものでしょうか。これにより、何より単身高齢者世帯を作らないことが出来る事は大きなメリットがあると思います。介護保険が、被保険者の保険料と税金にて成り立っていることから少ない財源の中で最大限の効果を生み出す必要があることは認識しておりますが、基本となる人間としての幸せ追求のために社会保障があると言うことも忘れずにバランスの取れた制度となって行く事を願っています。
【文:梅の香施設長 菅原】
2010年夏
■■■特別養護老人ホーム福寿園■■■
7月18日梅雨明けが発表されるや連日の猛暑、しかも朝からのカンカン照りで「暑いですね~」が今や毎日の挨拶の言葉にもなっている。2010年世界各地で多発する自然災害、中国では1月に30度を越える夏日になり、100年に一度の大干ばつ、一転豪雨で200人が亡くなり9万戸の家屋が倒壊、パキスタン、インドでも50度を越え、イラクバスラではなんと54度を記録、ヨーロッパ、ロシアも同様の猛暑続き。
被災者の声は、みんな初めて経験することばかり、世界各地で記録を塗り替え、まさに異常気象といえます。福寿園・さくら荘夏祭りも暑さの中での開催となりましたが、ご来園の皆様は暑さの中でもウチワとタオルを片手にお越しいただきました。本当に有難いと思います。祭りでは利用者様を日差しに当てないようお顔の前をタオルで覆い、職員の体で日陰をつくり、盆踊りでは日差しを避け車椅子を後退させながら回るなどの配慮が見られました。利用者様の口元に耳を傾けると太鼓や笛に合わせてかすかな声でしっかりと盆踊りの唄を歌い、夏の風情を体全体で感じ取っておられ、開催して良かったと改めて感じた次第です。
【文:福寿園施設長坂下】
グループホーム小高開所にて考えること
当法人が小高区金谷前地内に整備をすすめてまいりました「グループホーム小高」は、8月1日に無事開所を迎え、最初のご利用者をお迎えすることができました。
開所に先立ち、7月30日には関係者およそ50名の参列のもと開設式が行なわれました。市長様、市議会議長様、当法人理事長によるテープカットにはじまり、皆様に開設をお祝いいただきました。
グループホーム小高は、地域密着型サービス事業所として、南相馬市に在する認知症を有する要支援、要介護と認定されたご高齢者が、小集団生活のもと、地域の皆様との積極的な交流や残されたその方が有する生活能力を最大限に活かして、自立した日常生活を維持するための日常生活支援を受けることを目的とした事業所です。これから徐々にご利用者をお迎えし、18名のご利用者が自分らしい生活を維持出来るよう職員一同努力して参ります。
ある米国大学研究チームが家族や友人、隣人に恵まれた高齢者は、孤独な高齢者に比べ生き延びる確率が1.5倍も高く、けんかばかりしているような人間関係も含んで日常的に人付き合いがあることは心理面だけでなく、体の健康に直接メリットがあり、孤独であることはアルコール依存症やたばこを1日15本以上吸うのと同じくらい健康に悪いとの研究成果を発表した報道を目にしました。高齢夫婦世帯または単身高齢世帯が増えている現状で、友人が徐々に減り、身体が思うように動かなくなる事で外出機会も減ることが多い高齢者にとっては、とても気になる研究成果です。少し前の日本では、大家族での生活が当たり前であり、高齢となっても孫や曾孫の面倒を見るなど家族の中での役割があったことで、孤独を感じることなく生活できていました。その事が直接長生きにつながったかどうかは定かではありませんが、そこにはまぎれもなく喜怒哀楽のある生活があったと思います。様々な要因にて介護サービスを利用せざるを得ない多くの方々と介護保険事業を通じて関わらせていただいておりますが、そこでは単なるサービス受益者側とサービス提供者側という関係性だけでなく、人として社会としての関わりを強く意識した生活感のある関係性を築いていきたいと職員とも話をしております。どのような関わり方がお一人おひとりにとって心地良いものなのか毎日模索しているところです。
この南相馬市でも今後十数年の間に認知症高齢者や要支援・要介護状態の高齢者の増加が想定されております。これまでその予防策として、介護予防事業や特定高齢者事業等に取り組みある一定の成果をおさめています。まだまだ多くの方にこの事業に参加いただく必要があるのですが、少しずつ参加者が減ってきているとの気になる報告もあります。先ほどの米国の研究報告のとおり、日常的に人付き合いのある生活環境を整えることで、その方の生活に潤いと張り合いがもたらされると考えます。このことは、介護保険サービスの充実以上に大切な取り組みなのではないかと考えさせられました。
介護の場面でもご利用者に多くのお話をして頂くということが基本にあり、職員はことあるごとにご利用者に声をかけさせていただいています。メールでのやり取りが情報交換やコミュニケーションの主流になっている現代ですが、人と人の関係性はやはり直接会話のキャッチボールで深まっていくのではないでしょうか。若い職員の中にはご利用者との会話が苦手という職員もいますが、先輩職員の様子を学んだり、研修等を通してコミュニケーション技術を向上させようと頑張っています。認知症高齢者との関わりを持つグループホーム小高でもご利用者とのコミュニケーションについて工夫を凝らしながら、ご利用者が人との関わりを強く感じることができる生活支援を展開していきたいと考えております。
【文:梅の香施設長 菅原】
介護者に求められるもの
4月に梅の香施設長として着任いたしましたが、ご利用者や職員とのなじみの関係を早く構築したいと考えつつも、グループホームの開設準備等であっという間に2ヶ月が過ぎました。平成19年度の1年間は梅の香に勤務いたしておりましたが、その当時のご利用者から19名が変わられており、介護を必要とするご高齢者にとっても2年間という時間は貴重な時間であると感じております。
当法人では、介護サービスの質及び職員の社会的地位の向上を目的に介護職員への介護福祉士資格取得を奨励しています。サービスを受けるご利用者や家族にとっては、職員の人間的な温かみを求めることはもちろんですが、理論や技術に裏打された確かな手法での介護サービスの提供も施設選択の大きな要因となるものと考えています。職員の人間性、技術、知識が高いレベルにあることがご利用者やご家族からの信頼感やより良い関係性の構築につながるものと考えます。今後更に介護福祉士資格取得者にかかる期待は大きくなってくることは確かなことであり、今年度は、法人内において介護福祉士資格取得勉強会を14回にわたり実施する予定であり、資格取得を目指す職員や自らを研鑽する意欲のある職員に対して支援をしていきたいと考えています。
この介護福祉士の資格取得方法に見直しがされています。これまでは、養成機関で必要科目を履修、卒業している又は、介護職員としての実務経験が3年以上あれば国家試験が受験できました。しかし、平成24年度からは3年以上の実務経験に加えて国が指定する教育機関が実施する6ヶ月(600時間)以上の養成課程を経ることが必要とされています。これによる介護職員の資質向上が期待されることは確かですが、600時間の養成課程受講に職員を派遣できるかというとほぼ不可能に近い状況です。介護現場における慢性的な人手不足や養成機関が近くにない場合の通学に対する時間的、経済的負担などこの相双地域の施設に働く職員にとって国家試験受験のハードルは非常に高くなる可能性があります。介護現場で長く働きたいと熱望している職員にとって介護福祉士資格取得は、経営者やご利用者、その家族に対して自らの立場を認知してもらうには必要不可欠なことです。資格取得者の資質向上を図る対応は必要との考え方には賛成ですが、入り口を狭めることは更に現場における人手不足を招く可能性があり、介護職員の資質向上と量的確保が可能な限り両立されるような現状に即した介護福祉士養成のあり方について検討してもらいたいと切に願っています。
【文:梅の香施設長 菅原 武】
2009年
【新たな高齢者介護に関わる課題】
安全祈願祭
【グル-プホ-ムたんぽぽのスプリンクラー設置工事が始まる】
新型インフルエンザの脅威と危機管理
■■■特別養護老人ホーム福寿園■■■
2009年4月にメキシコやアメリカでの流行が確認された新型インフルエンザ(A/H1N1)は全世界に広がり、同年6月12日WHOは最高レベルのフェーズ6を宣言した。日本でも5月に発生が確認され、今夏から急激に感染者数が拡大、10月14日現在、国内での感染者数が61,583人(死者27人)とのこと。冬場に向かっての大流行が懸念されている。
新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同様に飛沫感染が主要な感染経路で、潜伏期が1~7日(中央値3日~4日)、発熱に始まり、咳、鼻汁症が見られるなど基本的には季節性インフルエンザと区別できないが、新型インフルエンザは発病当初軽症であっても、第5~6病日からウイルス性肺炎や脳症を併発し、急激に重症化することがあり、妊婦や基礎疾患を有する方は重症化のリスクが高いとされている。しかし、基礎疾患のない健常者の40%が重症化しているというアメリカの症例もあり、基礎疾患の有無だけで重症化を予測することもできない。日本でも重症化防止を目的に厚労省のワクチン接種基本方針により、10月19日から医師や看護師などの医療従事者を最優先にワクチン接種が始まった。
本県でも10月21日から接種が始まったが、自分はいつから打てるのか、どこで打てるのか、助成はあるのかなど、これら情報はまだ何も示されていない。例年10月下旬から11月がインフルエンザ流行のピークであるが、高齢者への一般接種は翌年になる模様。
介護施設など社会福祉施設における新型インフルエンザへの対応については、厚労省から「社会福祉施設等における新型インフルエンザ対応について」が示されているが、言うまでもなく、社会福祉施設の利用者は、乳幼児、高齢者等をはじめとして、いったん感染した場合の重症化のリスクが高い人が多く、しかも福祉サービスは、利用者やそのご家族にとっては生活を維持するうえで不可欠のものであり、社会的使命上、安易にサービス提供を停止することができない。同時に、そのサービス提供は、長時間、多数の人と高密度の接触が必要であり、職員は家族を含め自らの感染防止とともに利用者への感染には万全を期しつつ、サービスの安定供給を確保しなければならないという他事業分野とは異なる特有の困難な課題があり、当然に優先接種に位置づけられるべきものではないかと思う。
新型インフルエンザに限らず、感染症対策を実効性のあるものにするために、私たち施設では、国内での新型インフルエンザの流行を受け、早くから県外、県内発生時の対応等、適時適切な防止対策の体制づくりをしてきた。日ごろから感染防止対策委員会を定期に開催し、正しい科学的な知識に基づく、理に適った取り組みを徹底して実行している実績があり、今回の新型インフルエンザの対応に当たっても、来園者のご協力をいただきながら全職員に常時マスク着用と指手消毒、うがいを励行させ、施設利用者から1人の感染者も出さない取り組みを組織的に実施してきている。介護も医療と同様に「人命の確保」を最優先に考え、日頃から危機管理意識を職員全員で共有することが最大の防止策ではないかと思う。
【文:福寿園施設長坂下】
夏祭り
2008年
寄贈頂きました。
【紙おむつに見る少子高齢化問題】
2007年 | 2030年 | 2055年 | |
総人口 | 12,777 | 11,522 | 8,993 |
65歳以上の人口 | 2,746(21.5%) | 3,667(31.8%) | 3,647(40.6%) |
15~64歳の人口 | 8,302(65.0%) | 6,740(58.5%) | 4,595(51.5%) |
14歳以下の人口 | 1,729 | 1,115 | 752 |
【認めて欲しいグループホームでの認定申請】
【甥の悩み】
【地域に支えられて】
2007年
【“ことば”を取り戻した日】
【壁とは!!】
8月の福寿園
■■■特別養護老人ホーム福寿園■■■
暑さも峠を過ぎ過ごしやすくなりましたが、8月に入ってからの猛烈な暑さ続きは高齢者の皆様には耐え難い毎日で体調を崩されるのではないかと心配しておりました。でもデイ利用者様から「夏は暑いもの。若いもんがこのぐらいでフーフー言ってどうする」と逆にたしなめられ、利用者様の忍耐力と精神力の強さを感じさせられました。
私こと、本年4月新任施設長として就任以来、あっという間の4か月でしたが、机に座る間もない毎日で、利用者様といろんな話をしてみたい。悩みも聞いて共感したいと思っていましたが、新人故に十分その時間がとれなく大変申し訳なく思っております。
利用者様が楽しみにされていた8月5日の福寿園夏祭りも熱帯夜の中での開催となりましたが、ご家族様や地域の多くの皆様のご協力頂き楽しく過ごすことができました。
今年法人設立10年を迎える南相馬福祉会は、地域の皆様の総合福祉サービス施設としての役割を果たすため、職員みんなで頑張って参ります。
【福寿園施設長 坂下昌弘】
【長寿の秘訣は??】
着任いたしました。
2006年
今年を振り返り
2006 あかりのファンタジーⅰnおだか
【施設の顔とは!!】
【半年の月日が流れ】
初孫の誕生
■■■特別養護老人ホーム梅の香■■■
8月29日、13時53分、体重2.680g、身長50.5cmの小さめの可愛い女の子です。9月3日母子ともに元気に退院しました。退院祝いを兼ねて、1日早めてお七夜祝いを行ないました。9月4日には命名式を行い紗季と命名しました。紗には薄絹という意味があり、天女の羽衣のように透き通って飾らない柔和な子供になるということ、日本にしかない四季、四季を体中で感じるような、自然を愛せる人になって欲しいとの願い、紗季と名付けたとの事です。夫婦の願いが叶うよう、元気に健やかに成長することを見守って行きたいです。
【文:梅の香施設長 大橋】
2005年
仕事納めにあたって
開所3年たって
研修と民話の里
梅の香紹介
すっかり秋らしくなってきました
今朝、窓を開けるとキンモクセイの香りが漂っています。すっかり秋らしくなってきました。
いよいよ10月に入りました。新たな介護保険制度改革のスタートです。いみじくも「改革,改革」と叫んで衆議院選挙を圧勝した小泉再政権最初の実施です。
先般の制度改正の利用者家族説明会には、殆どの方が居住費や食費の利用者自己負担導入には理解を示しながらも一抹の不安と今後の負担過重の重大性を顔に出されていたのが印象的でした。
誰しもが入所する際にこんなことになるとは考えてもいなかった事が起きたのです。
既に入所されている方については、半分あきらめもあろうかと思いますが、今後新たにお入りになる方には一度立ち止まって検討する方も出てくるのではないでしょうか。そうなれば国の思うつぼである訳ですが、しかし実際にはどのように変化するであろうか。施設介護にかかる経費負担より、在宅でいつまでも介護を続けなければならない家族負担過重解消策が緊急の課題として先行整理されるような気がしてならない。そのために特別養護老人ホームがあるのです。制度を適正に運用するには、ある程度の改革も必要であるが、そのためには慎重な総括と反省を持って検討すべきであり、今回の改革は十分な検討時間も無い中でのスタートに憤りを感じる者は私だけでしょうか。【武内 記】